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豆類を積極的に食べると糖尿病になりにくい

豆類

豆類の摂取と糖尿病の関係を調べた研究

方法

スペインはカタルーニャ地方で、糖尿病になっていない3349人を対象としました。
その食事摂取状況を毎年チェックし、レンズ豆やひよこ豆、エンドウ豆、乾燥豆といった豆類をどのくらい摂取しているかを調べました。その摂取量により、4つのグループに分けて、どのくらいの人が、新たに糖尿病になるかを調査しました。

結果

平均 4.3年間のあいだに、266人が新たに糖尿病と診断されました。

豆類を最も多く摂取していたグループ(中央値 28.75 g/日)は、豆類の摂取量が最も少なかったグループ(中央値 12.73 g/日)に比べ、糖尿病になる危険性は35%も低くなりました。
豆類の中でも、レンズ豆を最も多く摂取していたグループ(中央値 8.88 g/日)は、豆類の摂取量が最も少なかったグループ(中央値 3.77 g/日)に比べ、糖尿病になる危険性は33%も低くなりました。同様に、ひよこ豆を最も多く摂取していたグループ(中央値 8.59 g/日)は、豆類の摂取量が最も少なかったグループ(中央値 3.05 g/日)に比べ、糖尿病になる危険性は32%も低くなりました。
エンドウ豆、乾燥豆の摂取では、糖尿病のなりやすさは変わりませんでした。

結論

豆類、特にレンズ豆を多く摂取することで、糖尿病になる可能性を減らせる可能性があることが示されました。

出展 Legume consumption is inversely associated with type 2 diabetes incidence in adults: A prospective assessment from the PREDIMED study. Clinical Nutrition. 2018.

豆類を食べると何が良いのか?

豆類は炭水化物、タンパク質、食物繊維を豊富に含み、他にもカルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラルが豊富に含まれています。

食物繊維は、食べものに含まれる糖質が分解・吸収されるのを抑え、血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。豆類は、炭水化物が豊富に含まれていますが、食物繊維も豊富であるため、血糖値を上げにくく、糖尿病になりにくいと考えられます。

血糖値を上げやすい食べものであるかどうかの指標にGI(Glycemic Index)があります。GIは、食べものに含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までの血液中の糖濃度を計ったものです。
ひよこ豆をゆでたもののGIは33で、他の豆類のGIも30前後です。オーストラリアのシドニー大学では、GI 55以下のものを低GI食品としていますが、豆類は、代表的な低GI食品のひとつです。

豆類の消費量

日本の豆類の消費量は、1960年代は10 g前後でしたが、食生活の変化により徐々に減り始め、1970年代後半からは、5 g前後となっています。これは、世界で131番目と、豆類の消費は大変少ないです。

先ほどの研究でも、豆類の平均摂取量は、19.76 g/日と、日本の平均摂取量よりもはるかに多いです。実際、スペインは24 g/日と、豆類の摂取量が多い国の一つです。
先ほどの研究では、平均的な日本人は、豆類の摂取が最も少ないグループの平均のさらに半分です。食べものの習慣が異なるので、一概には比較できませんが、私たち日本人は、豆類の摂取が少ないことは確かです。

豆類を食べましょう

このように、豆類を積極的に摂取することで、糖尿病を予防できる可能性があります。豆類は、豊富に炭水化物やたんぱく質も含んでいますので、米、パンなどの炭水化物や、卵、肉類などの動物性たんぱく質の代わりに、豆類を撮ることが良いのではないでしょうか。