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朝食や夕食は、いつどのように食べたらいいのでしょうか?

和食の朝食

夜食を多く食べると肥満になりやすい

アメリカ合衆国シアトルで、糖尿病にかかっている方 714人を調査したところ、68人(9.7%)の方が、1日に摂取した食事量の25%以上を夕食後の夜食でとっていました。
この夜食を多く食べている方たちは、肥満である確率が2.6倍でした。
糖尿病のコントロールが悪い確率、2つ以上の合併症を持つ確率も、この夜食を多く食べている方たちでは、それぞれ、2.2倍、2.6倍も多かったです。
これは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの作用が弱まったり、量が少なくなったりするからではないかと言われています。

すなわち、夜食を多く食べると、肥満になり、血糖値が上がりやすくなり糖尿病が悪くなりやすいと言えます。

出展 Isn’t this just bedtime snacking? The potential adverse effects of night-eating symptoms on treatment adherence and outcomes in patients with diabetes. Diabetes Care. 2006.

夕食が遅くなる場合

夜遅い時間に食事をとることは良くないとわかっていても、仕事で帰りが遅かったりして、どうしても夕食の時間が遅くなる方も多いと思います。
その場合はどうしたらよいのでしょうか?

糖尿病の方を対象に、夕食を、18時にとった場合、21時にとった場合、18時と21時に分割してとった場合の血糖値の変動について検討したところ、18時にとった場合と、18時と21時に分割してとった場合の血糖値の変動は同じでした。
すなわち、夕食が遅くなる場合は、同じ量を2回に分割して食べ、早い時間に炭水化物を食べるのが良いと考えられます。

出展 Divided consumption of late-night-dinner improves glycemic excursions in patients with type 2 diabetes: A randomized cross-over clinical trial. Diabetes Research and Clinical Practice. 2017.

朝食を食べない方は動脈硬化が進行します

スペインのマドリードで、40〜54歳の男女4082人で、朝食の量と動脈硬化の関係を調査しました。朝食を抜く方 (朝食の摂取量が1日の5%未満)は、朝食をしっかりと食べた方(朝食の摂取量が1日の20%以上)に比べて、心臓や頸動脈などに動脈硬化がある確率が2.57倍でした。
朝食を抜く方は、朝はコーヒーやオレンジジュースしかとらず、昼食時と夕食時に、肉類や砂糖入り飲料、アルコールの摂取量を多くとっていました。
朝食をとらないと前夜の夕食から次の食事までの時間が長くなり、血糖値が低下します。これを補おうと昼食や夕食を多く食べるようになってしまいます。
他にも、午前の活動中に必要なエネルギーを確保するため、筋肉を取り崩すことになり基礎代謝が低下し、エネルギー消費が低下し、肥満や糖尿病にもなりやすいです。

このように、朝食を抜く習慣があると、肥満や糖尿病になりやすく、動脈硬化が進行しやすくなります。

出展 The Importance of Breakfast in Atherosclerosis Disease Insights From the PESA Study. Journal of the American College of Cardiology. 2017.

セカンドミール効果

最初にとる食事(ファーストミール)が、次にとった食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響をおよぼすことを「セカンドミール効果」といいます。
最初にとる食事、すなわち朝食に糖質が少なく食物繊維が豊富なものにすると、朝食後の血糖値の上昇を抑えるだけでなく、次の食事、すなわち昼食でも血糖値が上がるのを抑える効果があると言われると言われています。

日中は仕事が忙しく、ランチは定食や丼もの、コンビニ弁当など高カロリーなものになってしまう方でも、朝食を工夫することで、昼食後の血糖値の上昇を抑えることが期待できます。
セカンドミール効果が期待できるのは、主食はご飯にして、副食に豆類、野菜、きのこ、海藻、魚などを食べるのがよいと考えられます。具体的には、豆腐やワカメのみそ汁、納豆、ノリなどが挙げられます。

体内時計と食事の関係

私たちには、「体内時計」とよばれる、生まれつきそなえている時間を測定する仕組みがあります。
体内時計は1日25時間の周期で動き、これを1日24時間の周期に合わせるために、光と食事の刺激で毎日時計の針をリセットします。その結果、ホルモンなどを調整して代謝を高めるよう作用し、1日のあいだ身体を十分に活動できるようにします。
そのため、起きたら早めに朝食を食べて体内時計を整えましょう。

まとめ

  1. 朝食は、しっかり食べましょう。その際は、糖質が少なく食物繊維が豊富なものにするように心がけましょう。
  2. 昼食は、1日で最も多くとることができますが、食べすぎには注意しましょう。
  3. 夕食は、なるべく早い時間にとり、遅くなる場合は2回に分割してとりましょう。
  4. 夜食はとらないようにしましょう。