睡眠外来では、睡眠時無呼吸症候群（SAS）をはじめとする、睡眠中の呼吸異常に関連する病気の治療を行います。
睡眠時無呼吸症候群になると、睡眠中に何度も呼吸が止まり、身体に酸素が届かなくなることで、いびき、眠気などの症状を引き起こします。ほかにも、心臓病、脳梗塞の原因になったり、交通事故を起こしたりと、命にかかわることがあり、適切な治療が必要です。
睡眠中に呼吸が止まります
眠っている間も、呼吸によって酸素を取り込み、二酸化炭素を排出しています。ところが、睡眠時無呼吸症候群の方は、睡眠中に上気道（鼻～のど）が塞がれ、呼吸が止まり、「窒息状態」になります。
酸素が不足すると、脳は「危険だ」と判断し、一時的に睡眠を浅くして、呼吸を再開させます。
これが一晩中繰り返されるため、本人は眠っているつもりでも、実際には熟睡できない状態となります。
いびき、眠気などの症状がでます
寝ているときにいびきがしたり、呼吸が止まります
- いびき
- 呼吸が止まる
- 苦しそうに、何度も寝返りをする
- 夜に目が覚める
- 夜間にトイレが近い（頻尿）
- 寝汗をかく
これらの症状は、本人は気づかないことが多く、家族に指摘されて気づくことが多いです。
日中に眠気がします
- 眠気が強く、会議中・運転中・食後などに居眠りしてしまう
- 集中力が落ちる
- 十分寝たにもかっかわらず疲れがとれない
- 寝起きに頭痛がする
居眠り運転をして交通事故をおこしたり、大事な会議で寝てしまったりと仕事に支障をきたすこともあります。
心臓や血管の病気をおこします
呼吸が止まり、体が酸欠状態となるため、心臓や血管に負担がかかり、様々な病気の原因となります。
- 高血圧
- 狭心症・心筋梗塞
- 不整脈
- 脳梗塞
最大の原因は肥満です
睡眠時無呼吸の最も多い原因は、肥満です。肥満になると、首の周りに脂肪がつき、睡眠中に空気の通り道が物理的に狭くなります。
他に、首が短くて太い人、顎が小さい人がなりやすいです。
自宅で検査ができます
睡眠時無呼吸を調べる検査が、「睡眠ポリグラフ検査（PSG）」です。睡眠中の呼吸の様子、血液中の酸素濃度を、専用の検査機器を用いて調べます。
当院での検査は、ご自宅で行いますので、入院は必要ありません。機械は指定された日に宅急便で届きます（クリニックまで取りに来ていただく必要はありません）。検査が終わったら、宅急便にて返却してください。
検査終了後、データを分析するため、2週間程のお時間をいただきます。ご来院いただき、結果の説明と、今後の治療方針について説明します。
ひとりひとりにあった適切な治療をおこないます
生活習慣の改善
減量
禁煙
飲酒量を減らす
経鼻的持続陽圧呼吸療法（CPAP治療）
睡眠中に専用のマスクを鼻につけ、機器から一定の空気の圧力をかけることにより、無呼吸をなくす治療です。これにより、良く眠ることができ、翌朝すっきりとした目覚めを迎えることができ、日中の眠気からも解放されます。
CPAP治療は睡眠を改善するほかにも効果があり、血圧や血糖値を下げ、生活習慣病の改善、予防ができます。
口腔内装置（マウスピース）
軽症の睡眠時無呼吸症候群の方に行われる治療です。睡眠中に装着します。
適切な治療で生活の質が上がります
眠時無呼吸症候群は、「睡眠の問題」にとどまらず、高血圧、心臓病、脳梗塞といった重大な健康リスクや、交通事故や生産性の低下など社会的影響をもたらす病気です。
適切な治療により、生活の質を大きく改善することが期待できますので、いびき、眠気などの症状がある方は、受診しましょう。
