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睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群は、眠っているときに、一時的に呼吸が止まってしまう病気です。呼吸が止まることで、血液中の酸素濃度が下がったり、血圧が急上昇したりするため、高血圧、糖尿病などの生活習慣病や、心筋梗塞、不整脈、脳梗塞など命にかかわる病気を引き起こします。また、安眠できなくなるので、起きている間に眠くなり、生活に悪影響をおよびします。
病気の方は、約300万人とされています。まだ症状が出ていない潜在患者も含めると4人に1人が睡眠時無呼吸症候群の可能性があるともいわれています。
最も危ないのは、肥満の男性
肥満
最も多いのが肥満の方です。20歳の時に比べて10 kg以上太った方は、特に、なりやすいです。
肥満になると、体だけでなく、舌やのどのまわりにも脂肪がついて太ってきます。その結果、空気の通り道である気道が狭くなり、睡眠中に呼吸が止まりやすくなります。
男性
男性は、女性の2〜3倍、睡眠時無呼吸症候群にかかりやすいです。女性と比べて、男性は太ると、上半身に脂肪がつきやすく、顎や喉へ脂肪がたまりやすいです。
生活習慣
- 飲酒、特に寝る前にお酒を飲むこと
- タバコを吸っている(喫煙)
- 睡眠薬を頻繁に服用している
喫煙は喉に炎症を起こし、お酒や睡眠薬は喉の筋肉の緊張を低下させます。この結果、気道が狭くなり、睡眠中に呼吸が止まりやすくなります。
暴飲暴食をした後、そのまま寝てしまうと、普段よりいびきがおおきくなる、と言われることはありませんか?
小顔の女性も病気になる可能性があります
睡眠時無呼吸症候群になりやすい体の特徴
肥満でない方や、女性でも病気にかかりやすい方がいます。顎や喉が小さい方は、もともと気道が狭く、睡眠時無呼吸症候群になりやすい方です。特に日本人は、もともと顎が小さな人種ですので、欧米人に比べると睡眠時無呼吸症候群になりやすいです。
代表的な体の特徴には次のようなものがあります。
- 顎が小さい
- 小顔である
- 二重顎
- 舌や舌の付け根が大きい
ホルモンバランスの影響
女性ホルモンは、気道を広げる働きがあるため、女性は睡眠時無呼吸症候群になりにくく、いびきをかきにくいです。
しかし、年齢とともに女性はホルモンが減ってくると、睡眠時無呼吸症候群にかかりやすくなります。閉経後では閉経前と比較して発症率がおよそ3倍となり、男性とほとんど差がなくなるといわれています。
扁桃が大きい子どもも注意が必要です
扁桃肥大
熱を出したり、風邪をひいたりしたときに、喉を診察した際、「扁桃が大きい」と言われたことがある方も注意が必要です。扁桃肥大があると、それにより気道が狭くなり、睡眠時無呼吸症候群を引き起こします。
通常、扁桃は、5〜7歳で最大となり、小学校を卒業するころには小さくなります。中には、扁桃が肥大したままとなり、睡眠時無呼吸症候群を引き起こします。子どもでも、約2%に病気があるといわれています。