糖尿病は、血糖値が日常的に高い状態にある病気です。血糖値は、ある日突然、高くなるというのは非常に少なく、多くの方は、知らないうちに徐々に高くなります。
口が渇く、トイレが近くなる、疲れやすい、体重が減るといった症状で気づくこともありますが、多くの方は症状がないため、健康診断の血液検査をきっかけに診断されます。
ここでは、糖尿病の診断医必要不可欠な検査方法について説明します。
目次
血糖値
検査をした時点の血糖値を調べます。食事の影響を受けるため、一般的に、食事前には低く、食事をした直後には高くなります。
基本的には、10時間以上食事をしていない空腹時の血糖値を調べ、その時の正常値は、110mg/dL未満です。
受診のタイミングによって、空腹時に検査をできなかった場合に行った検査値は、「随時血糖値」といい、正常値は、200 mg/dL未満です。
HbA1c
「ヘモグロビンエーワンシー」と読み、過去1〜2か月の血糖値の状態を反映します。
血液中にある赤血球の中に、酸素を運ぶヘモグロビンという物質があります。このヘモグロビンに血糖が結合したものです。HbA1cが高いということは多くの糖がヘモグロビンに結合していることを指し、血糖が高いということになります。
血糖値と異なり、食事の影響を受けません。
糖尿病
「糖尿病型」といわれる基準値を超えると、糖尿病と診断されます。
「糖尿病型」の基準値は、以下の通りです。
- 空腹時血糖値 126 mg/dL以上 または 随時血糖値 200 mg/dL以上
- HbA1c 6.5%以上
この両方を満たしたときか、血糖値が、別の機会に2回以上満たしたときは、糖尿病になります。
境界型糖尿病
正常でも、糖尿病でもない方は、どういう診断になるのでしょうか?
この場合、「境界型糖尿病」といい、いわゆる「糖尿病予備軍」になります。
境界型糖尿病の方は、糖尿病になりやすいため、定期的に検査をする必要があるのと、食生活の改善や、運動をしたりして、糖尿病にならないようにすることが大切です。
糖尿病と診断される実例
1度の検査で確定するケーズ
健康診断で糖尿病が疑われ、再検査したところ、空腹時血糖値が150mg/dL、HbA1cが7.0%でした。血糖値も、HbA1cも糖尿病型ですので、糖尿病になります。
2度の検査で確定するケース
健康診断で糖尿病が疑われ、再検査したところ、食事をしてきてしまったので、随時血糖値が220mg/dL、HbA1cが6.4%でした。後日、食事をしないで検査をしたところ、空腹時血糖 130 mg/dLでした。
HbA1cは糖尿病型ではありませんでしたが、血糖値が2回、糖尿病型でしたので、糖尿病になります。
まとめ
糖尿病は、血糖値とHbA1cを組み合わせて診断します。健康診断では、両方とも検査しないことも多いですので、異常を疑われたら、精密検査を受けましょう。