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日本脳炎とは?
日本脳炎ウイルスの感染によって起こる脳の病気です。人間から人間への感染はなく、主にブタの体内でウイルスが増殖した後、そのブタを刺した蚊(コガタアカイエカ)がヒトを刺すことによって感染します。
日本脳炎の症状
日本脳炎はウイルスに感染しても症状が出ないことがほとんどです。しかし、脳炎が発症すると、発熱、頭痛、けいれん、意識障害(意識がもうろうとすること)といった症状が現れます。
約30%の方が死に至り、半数以上は脳に障害が残り、麻痺などの重篤な後遺症が残ります。
発生状況
東南アジア・南アジアにかけて広く発生し、世界的には年間3〜4万人の日本脳炎患者が報告されています。
しかし、日本国内では、予防接種の普及により、近年は、年間10人以下にとどまっています。その多くは、西日本で発生し、関東地方では非常に稀です。
しかし、平成27年(2015年)に、千葉県で、10か月の男の子が日本脳炎を発症し、治癒したものの障害が残ったことが報告されており、関東地方でもかかる可能性はあります。
日本脳炎の予防法
日本脳炎にかからないようにするには、ウイルスを持つ蚊(コダカアカイエカ)に刺されないようにすることと、予防接種の2つの方法が有効です。
蚊に刺されない対策
- コダカアカイエカは夏に多く、夜間に活発になるので、夜間の外出は控えましょう。
- 出かけるときは、できる限り長袖・長ズボンを身につけ、露出している皮膚へ虫除けスプレーを使用しましょう。
- 蚊が家の中に侵入しないように、網戸を使用したり、窓やドアの開け閉めは最小限にしましょう。
予防接種
日本脳炎ワクチンの予防接種を受けることで、病気になる危険を90%以上減らせます。
日本脳炎ワクチン
日本脳炎を予防する最も有効な方法は、日本脳炎ワクチンを接種することです。
日本脳炎ワクチンを接種することで、病気になる危険を90%以上減らすことができると報告されています。
実際、近年の日本脳炎にかかった方のほとんどは、予防接種を受けていなかったことが判明しています。
副反応
比較的安全なワクチンで、主な副反応は、注射をした場所が赤くなったり、腫れたりすることです。
新しいワクチン
予防接種と急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の因果関係が否定できない事例が認められたため、一時、予防接種を見合わせていました。平成21年(2009年)より、より副反応の少ない新しいワクチンが開発され、予防接種が再開されました。現在は、すべて新しいワクチンを使用しています。
接種スケジュール
定期接種
第1期
生後6か月〜7歳6か月未満が対象です。「標準的には3歳以上」とされていますが、当院では、平成27年(2015年)に、千葉県で、10か月の男の子が日本脳炎を発症してからは、生後6か月から投与しています。
なお、日本脳炎ワクチンの接種量は、3歳未満の場合、3歳以上より少ないですが、この投与量で問題がないことが確認されていますので、第2期までの間に、それ以上の追加する必要はありません。
第2期
9歳〜12歳が対象です。第1期でできた免疫の効果を維持するために行います。
予約をお願いいたします
予防接種をご希望の場合、予約をお願いいたします。
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