なお、現在治療中の方は、引き続き治療可能です。
花粉症の従来の治療法は、症状を抑える治療でしたが、この治療法は、完治が期待できます。
当院では、スギ花粉症の舌下免疫療法をおこなっています。
目次
舌下免疫療法とは?
スギ花粉のアレルゲンを少量ずつ長期間にわたり投与し、アレルギー反応が起きにくくなる状態(免疫寛容)を作り出すことを目標とします。「減感作療法」ともいいます
以前は、注射によってアレルゲンを投与していましたが、頻回の通院が必要なうえ、副作用も多く、患者さんの負担が大きい治療法でした。
アレルゲンキスを自分で服用する「舌下免疫療法」は、自宅で手軽にでき、副作用が皮下免疫療法に比べて少ないのが特徴です。
舌下免疫療法の効果
約80%の方に効果があり、約20%の方は症状が出なくなりました(完治)。
治療終了後も、年余にわたって効果が持続することが期待されます。
最も効果が期待できるのは、スギ・ヒノキ(スギとヒノキは共通のアレルゲンをもちます)にだけアレルギーのある方です。
逆に、カモガヤ、ブタクサなど他の植物への花粉症のある方や、ダニ、ハウスダスト、動物など様々なものへのアレルギーがある方は、効果が出にくいです。
舌下免疫療法の方法
毎日、1日1回、服用します。
アレルギー反応を起こさない程度の体質になるまでは、3〜5年の治療期間が必要です。
初めの1週間は、副作用が出ないかどうかを確認するため、少ない量からはじめます。また、最初に投与する日は、副作用がないことを確認するため、病院で投与し、30分程待機していただきます。
その後は、月1回の定期的な通院が必要です。
スギ花粉が飛散している時期は、治療を開始できません。開始できる時期は、6〜12月の期間のみです。
なお、治療中の方が、花粉症の時期に継続することは問題ありません。
副作用
主な副作用は、口や喉のかゆみ、違和感や、耳のかゆみなどで、治療を開始した時や、スギ花粉が飛散している時期に多いです。
他に、まれに、アナフィラキシーという重篤なアレルギー反応が起こることがあります。
治療の対象となる方
5歳以上のスギ花粉症の方
治療ができない方
治療対象の方でも、免疫機能の低下している方や、重篤な気管支喘息や心臓病、口内炎のある方は、治療ができません。
治療の流れ
まず初めに、スギ花粉へのアレルギーの有無を検査します(血液検査)。
なお、他の病院で行った検査結果がありましたら、ご持参いただければ、検査を省略することがあります(時間が経過している場合は、再度検査をします)。
投与後、副作用がないかを確認するため、30分、院内で経過観察します。副作用がなかった場合、自宅で継続しますが、最初の1週間は、少ない量で投与します。
その後、月1回、定期的な通院していただきます。
治療をお勧めする方
- 花粉症の症状が、一般的な治療で、効果が不十分な方
- 従来の治療では、眠くなるなど副作用が強く、継続が難しい方(特に、車の運転をする方)
- 花粉症の薬を減らしたい方
- 花粉症をなおしたい方