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ブルガダ症候群

不整脈

健康診断で心電図検査を受けた際、「ブルガダ型心電図」や「ブルガダ症候群疑い」と、聞きなれない所見が書いてあったことはありませんか?
これらの所見は、健康診断で心電図検査をした場合、1000人に1人くらいにみつかるといわれています。

ブルガダ症候群とは?

ブルガダ症候群は、1992年と、比較的新しく報告された病気で、心臓そのものには病気がないにもかかわらず、突然、心室細動という危険な不整脈が起こります。心室細動になると、心臓が痙攣状態になり、体に血液を送ることができず、意識を失って倒れたり、最悪の場合、死に至ります。

心臓そのものには異常はありませんが、心臓の筋肉の活動を制御する「イオンチャネル」という部分に異常があるといわれています。
この異常には、遺伝的な要因があり、日本人など東洋人の男性に多く、血縁者に突然亡くなった方がいることも珍しくありません。

この病気に特徴的な心電図が「ブルガダ型心電図」です。

症状

発作が起きなければ、症状はなく、普通に日常生活を送れます。
ただし、発作が起こると、突然、意識を失ったり(失神)、亡くなったりします。危険な不整脈の発作がおこるのは、40~60歳に多いといわれています。

働き盛りの社会人の中で、特に持病もないのに突然亡くなることを「ポックリ病」として知られています。このぽっくり病の原因の一つに、ブルガダ症候群が挙げられます。

ブルガダ症候群が疑われた時におこなう検査

心電図検査

心電図検査で、ブルガダ症候群に特徴的な変化がないかを確認します。
健康診断と同じ検査は必要ではない、と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、ブルガダ症候群を疑う心電図の波形には何種類もあり、どの波形かを特定します。また、通常とは違う位置に電極を変えると、異常がはっきり出る方もいますので、

心臓超音波検査(心エコー検査)

心臓に病気がないかどうかを調べます。

ホルター心電図

24時間、心電図を装着します。ブルガダ症候群は、不整脈が起きていても気づかないこともありますので、不整脈が起きていないかを調べます。

治療

ブルガダ症候群であっても、必ずしも全員に治療が必要ではありません。危険な不整脈が起こる可能性が低いと判断した場合は、治療は行わず、定期的に検査を行います。

危険な不整脈が起こる可能性が高いと判断した場合は、専門病院を紹介いたします。さらに精密検査をおこない、治療が必要であるかを決めていきます。
ブルガダ症候群による突然死の予防に有効な治療法は、「植え込み型除細動器(ICD)」です。「植え込み型除細動器(ICD)」は、直径約5cmの装置で、肩の下あたりに埋め込みます。不整脈が起きていないか常時監視し、不整脈が起きたときに作動し、不整脈を止めます。

まとめ

心電図検査にて、「ブルガダ型心電図」や「ブルガダ症候群疑い」と言われた場合、危険な不整脈が起こりやすいブルガダ症候群の可能性があります。
普段は症状はないですが、危険な不整脈が起こると、最悪の場合、亡くなることがあります。
慌てる必要はありませんが、一度、検査を受けることをお勧めします。