目次
甲状腺とは?
甲状腺は、喉ぼとけの下側にあり、「H」の形をしていています。
食べ物に含まれるヨウ素を原料にして、甲状腺ホルモンを作り、血液中に分泌しています。
甲状腺ホルモンとは?
甲状腺ホルモンは、活動するために必要なエネルギーをつくり出したり、からだを成長させたり機能を維持したりする作用があります。
甲状腺ホルモンは多すぎても少なすぎてもよくないので、脳の中にある下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)により調整されています。甲状腺ホルモンが足らないときは、TSHの分泌量を増やして甲状腺ホルモンが多く出るようにし、甲状腺ホルモンが多いときは、TSHを分泌しないようにして、甲状腺ホルモンが出にくくします。
甲状腺の検査
甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモンには、サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)の2種類があります。この一部が「遊離型ホルモン」として全身に作用します。検査では、実際に作用する遊離型ホルモン(FT4、FT3)を測定します。
甲状腺刺激ホルモン(TSH)
甲状腺刺激ホルモン(TSH)は、甲状腺ホルモンの分泌量を調整しています。甲状腺ホルモンの過不足で敏感に反応しますので、
自己抗体
代表的な甲状腺の病気であるバセドウ病、橋本病(慢性甲状腺炎)は、甲状腺に対する「自己抗体」(自分の甲状腺に反応する免疫物質)が産生されます。この抗体が、自分の甲状腺を攻撃することが病気の原因と言われています。この抗体の有無を調べることで、甲状腺の病気の原因を調べます。
甲状腺の病気
甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンが過剰な状態です。甲状腺ホルモンは、体を活発にする作用があるので、常に全力疾走をしているような状態となり、様々な症状が出現します。
症状
動悸、汗をかきやすくなる、手足がふるえる、体重が減る、疲れやすいなど様々な症状がでます。通常の健康診断では、甲状腺ホルモンは調べませんが、コレステロール値が低くなるので、気づくきっかけになることがあります。
検査
甲状腺ホルモン(FT3、FT4)は高く、TSHが低くなります。
原因
代表的な病気はバセドウ病ですが、他にも、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎、妊娠によるものなど様々な原因があります。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンが不足している状態で、体が思うように活動できず、様々な症状が出現します。
症状
だるい、気力がなくなる、皮膚の乾燥、汗をかきにくくなる、便秘、脱毛、声がかすれる、体重がふえるなど様々な症状がでます。
検査
甲状腺ホルモン(FT3、FT4)は低く、TSHが高くなります。
原因
多くの原因は橋本病です。