花粉症になると食物アレルギーにもなることがある

口腔アレルギー症候群

果物や野菜に含まれるアレルギーを起こす原因物質（アレルゲン）が、口の中の粘膜に触れて起こるアレルギー反応です。

果物や野菜が口にはいると、数分以内に唇や舌、口の中、喉に、刺激感（イガイガする、ピリピリするなど）やかゆみ、腫れなどがおこります。
多くの場合、これらの症状は、しばらくすると自然になくなります。

中には、鼻水や咳嗽、腹痛、下痢などの症状がでることがあり、重い方ではアナフィラキシーショックを起こします。

口腔アレルギー症候群は、花粉症の方に多く、「花粉食物アレルギー症候群」と言われます。
花粉症の方の10〜20%にあるといわれています。
これは、花粉のアレルゲンと、一部の果物や野菜に含まれるアレルゲンが似ているために、アレルギー反応がおきてしまうためです。

花粉の種類によって原因となる食物が変わってきます。
全ての食物にアレルギーが起こるわけではなく、多くの方は、一部の食物に対してのみ起こります。

トマト

リンゴ、洋ナシ、サクランボ、モモ、スモモ、アンズ、アーモンド、セロリ、ニンジン、ジャガイモ、大豆（豆乳）、ピーナッツ、ヘーゼルナッツ、キウイ、マンゴー、シシトウガラシなど

メロン、スイカ、トマト、ジャガイモ、キウイ、オレンジ、ピーナッツなど

メロン、スイカ、ズッキーニ、カンタロープ、キュウリ、バナナ

セロリ、ニンジン、マンゴー、香辛料（マスタード・コリアンダー・クミンなど）

診断には、どの食物を食べた時にどのようなアレルギー症状が出たかを確認することで、診断できます。
より正確に診断するために、アレルギー検査（血液検査）を行います。その際は、花粉のアレルギー検査も合わせて行います。

治療の基本は、原因となる食物を食べないことです。
口腔アレルギー症候群を引き起こすアレルゲンの多くは、熱に不安定で、生で食べると症状が出やすいです。多くの原因食品は、加熱することで食べることができることが多いです。

また、花粉症の治療をしっかり行うことも重要です。