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痛風・高尿酸血症とは?
痛風とは?
痛風とは、体内に蓄積した尿酸の結晶によって関節に炎症がおこる(関節炎)病気です。
痛風による関節炎は、急になることが多く、強い痛みがあり、腫れてきます。これを「痛風発作」といいます。足の親指の付け根になることが一番多いですが、他にも、足の甲、足首、手首などなどにおこります。
痛みや腫れは、1週間程度でおさまります。痛みや腫れがなくなると、何事もなかったかのように症状はなくなり、通常の生活を送ることができます。しかし、症状がなくても治ったわけではなく、治療をせずに放置すると、やがて2回目の発作がおこります。さらに放置すると、痛風発作を何度も繰り返えすようになります。
尿酸とは?
痛風の原因となる尿酸は、遺伝子を構成するDNAや、エネルギー源であるアデノシン三リン酸(ATP)という物質が分解されてできる老廃物です。尿として体の外に排泄されます。
尿酸が高いと
尿酸値が7.0 mg/dLを超えると、血液の中に溶けきれなくなり、結晶となりやすくなります。この状態が高尿酸血症です。
この結晶が関節などに蓄積して、関節炎をおこした状態が「痛風」です。
他にも、腎臓病、尿管結石、心臓病の原因にもなるといわれています。
尿酸が高くなる主な原因
食事
これまでの調査で、肉類を多く摂る方、魚介類を多く摂る方は、痛風になりやすいことがわかっています。尿酸のもととなるプリン体を多く含む野菜がありますが、これらの野菜を多く食べても、痛風には影響がありませんでした。
反対に、乳製品をよく摂る方は尿酸値が低くなります。
お酒(飲酒)
お酒が体内で分解される時に尿酸が作られることなどから、お酒を飲むと尿酸値が上がります。尿酸の素になるプリン体を含む量は、お酒の種類によって違い、ビールが最も多く、焼酎、ウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒はあまり含まれていません。
しかし、お酒が分解されるときに乳酸を産生し、尿酸が体の外に出るのを妨げるため、尿酸値を上昇しやすくなります。そのため、焼酎などの蒸留水でも、たくさん飲めば尿酸値が上がりますので、注意が必要です。実際、長期にわたる研究では、蒸留酒を飲んでいる方は、痛風を増やします。
ストレス
激しい運動
激しい運動をすると、乳酸がつくられ、乳酸の作用で腎臓から尿酸を排泄しにくくなり、尿酸血が高くなりやすくなります。他にも、激しい運動をして汗をかき、汗をかくと体の水分が奪われるため、一時的に脱水状態になることがあり、尿酸値が高くなりやすくなります。
治療
尿酸値を下げる治療
食事療法
尿酸が多く含まれる食事を減らします。
お酒は、特に尿酸値を上げるので、お酒を減らすことは大切です。ただし、急にお酒をやめることは難しいと思いますので、休刊日を設ける、ビールの量を減らすなど、それぞれにあった改善点を提案します。
運動療法
ウォ-キングなどの有酸素運動は尿酸値を上げず、痛風の方に多い高血圧などの合併症にも有効です。
薬物療法
食事・運動療法でも尿酸値が下がらない方、痛風を起こしたことがある方は薬物療法を開始します。運動の際は、水分を積極的に摂りましょう。
痛風発作の治療
痛風の発作が起きると、非常に痛く、日常生活を送るのも大変です。また、早く炎症を抑えることも大切です。発作が起きた場合は、できるだけ早く受診していただき、炎症を抑える薬を飲み始め、発作が早くおさまるようにします。