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脂質異常症

脂質異常症

脂質異常症とは?

悪玉コレステロールや中性脂肪が高かったり、善玉コレステロールが少なかったりする状態で、血管に動脈硬化を起こしやすくなります。脂質異常症の原因は、遺伝による体質からおこることもありますが、多くは食生活の乱れが原因です。

放っておくと、動脈硬化が進行し、心臓病(心筋梗塞・狭心症)や脳卒中(脳出血・脳梗塞)をおこしやすくなります。

脂質異常症の治療

食事療法

悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を下げる食事療法

脂肪(脂質)の摂りすぎないことが大切です。
脂肪には、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、トランス脂肪酸などがあり、「わるい脂肪」と「よい脂肪」に分けられます。「わるい脂肪」は飽和脂肪酸やトランス脂肪酸で、摂り過ぎないようにしましょう。「よい脂肪」は不飽和脂肪酸 (特に多価不飽和脂肪酸)で、不足しないようにしましょう。

他に、食物繊維はほとんどカロリーがなく、食後の血糖上昇やコレステロールの吸収を抑える働きがあります。海藻、きのこなど食物繊維を多く含む食品を積極的にとりましょう。

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は、動物性の脂肪で、豚肉、牛肉の脂、鶏皮、ベーコン、乳製品、洋菓子、アイスクリームなどに多く含まれています。これらは、悪玉コレステロールを増加させるため、摂り過ぎないようにしましょう。

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸には、多価不飽和脂肪酸と一価脂肪酸があり、多価不飽和脂肪酸には悪玉コレステロールを下げる働きがあります。多価不飽和脂肪酸は、植物油(コーン油、サフラワー油、紅花油、大豆油など)や青魚(サバ、イワシ、アジなど)に多く含まれていますので、これらを不足しないように摂りましょう。
また、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が注目されており、健康食品や医薬品が発売されています。

トランス脂肪酸

脂肪を高温で加熱したときや、マーガリンやショートニングのように植物油を加工したときにできます。大量にとると、悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らし、動脈硬化をおこしやすくします。そのため、2003年に世界保健機関(WHO)・国際連合食糧農業機関(FAO)合同専門委員会よって摂取を抑えるよう勧告が発表され、アメリカ合衆国などでは、含有量の表示義務化や制限を設けられています。

パン、ケーキ、ドーナツ、クッキーといった洋菓子、スナック菓子、生クリーム、フライドポテト、ナゲット、ポップコーンなどに多く含まれます。これらを摂り過ぎないように注意しましょう。

中性脂肪(トリグリセライド)を下げる食事療法

中性脂肪は、糖質を制限することが大切です。

アルコールは糖質の含有量が多く、肝臓で中性脂肪をつくるようになり、中性脂肪を上昇させます。また、肝臓に脂肪がたまる脂肪肝の原因にもなります。また、アルコールは食欲増進作用があり、ついつい、おつまみを食べ過ぎてしまい、食べ過ぎの原因にもなります。中性脂肪の高い方は、飲酒量を減らしましょう。

運動療法

有酸素運動が有効です。無理のない範囲で初めて、徐々に運動量を増やすことが大切です。ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどがあります。心肺機能や代謝機能を改善する効果があります。
「少しきつい」と感じる程度の運動を20〜60分行い、できれば毎日、可能ならば、週3回以上行うことが望ましいです。

注意点は、よく準備運動を行うこと、気候に合わせた通気性の良い服装や足に合った靴を使うことです。また、運動中はこまめに水分補給をしてください。

合併症がある場合、運動療法が難しい場合があるので、運動をする前にご相談ください。

薬物療法

中性脂肪は、食事・運動療法でよくなることが多いですが、悪玉コレステロールは、食事・運動療法だけでよくなることは少ないです。よくならない場合、薬物療法を開始します。薬はたくさんの種類がありますが、それぞれの病状にあった費用対効果の高い薬を選択します。